企業向け巨大ECサイトを運営するモノタロウ。
プロジェクトチーム5名から始まったベンチャー企業で、当時はまだ珍しかった企業向け間接資材電子カタログ作りからスタートしたといいます。
特殊なビジネスモデルだった故に様々な厳しい逆光を受け、失敗しながらも、“やれることは何でもやろう”と進み続けたモノタロウ。
サーバが重たく改善が必要であったり、商品数が少なく需要にハマらなかったり、カタログ製作にも躓くなど、多くの課題がありました。
現在は名の知れた大企業となったモノタロウのECサイト運用、お客様との向き合い方への変化。「来月やりたい」が「来週やります」へ変わったPDCA回転数をアップできた方法とは…?
マーケターチームが、よりお客様を理解したサービス提供が行えたモノタロウの成功のポイントをご紹介いたします。
(モノタロウ自社サイト:https://www.monotaro.com/?displayId=104)
膨大なデータを一か所のシステムで管理できるCXプラットフォームを導入
ユーザー行動などを分析したデータの活用をするためには、いくつもの問題があったといいます。
377万人以上が活用するモノタロウでは、日々膨大なデータをリアルタイムに近い形で管理できるGoogle BigQueryでデータ基盤を整備。行動履歴や売上、顧客属性などのビックデータを柔軟かつスピーディーに分析することで、お客様への理解を深めてきました。
しかし、これらをスピーディーに行うにも限界があり、社内マーケティング用データ基盤には思う通りには連携ができなかったといいます。そこで、CXプラットフォームを使用して、複数のデータのセグメント化することでPDCAの回転率を上げることに成功。
膨大なデータを、CXプラットフォームを使用しセグメントを生成。それにより効率的なWEB接客が行うことができました。その都度、クリエイティブに活用できる仕組みが増えたことで、様々なA/Bテストを行うきっかけとなったといいます。
お客様に適切なタイミングで個別アプローチが可能に
上記の方法で柔軟にデータ運用ができるようになりました。
その為、顧客様の購入行動や金額でセグメントされたデータを活用して、個別にメッセージやお得な情報を配信。送料無料キャンペーンやサービスを多数用意することで、“お客様に合う”また、“購入過程”を捉えた丁寧なアプローチができるようになりました。
その結果、確実に反応に成果が見えてきたといいます。
今までも同様に、データドリブンでサービス提供を行ってきましたが、CXプラットフォーム導入後、よりスムーズに分析や施策の実施が試せるようになり、作業効率が格段にアップしました。
(モノタロウno+e:https://note.com/)
カジュアルに施策を実施でき、A/Bテストへの取組みが加速
以前までは、マーケターは仕様書を提出し、了承を得られた場合のみ、システム開発され実施ができるという方法でした。かなり工数が掛かるとともに、実施できるようになるまでのリードタイムが長く、安易にA/Bテストに挑めなかったといいます。
他部署を通して実行までに至るため、それほどのプレッシャーと、効果がいまいちであった場合への代替案も必須でした。
これらを改善するためのCXプラットフォームを導入後は、テンプレートに各セグメントを当てはめて効果を立証。他部署を通すことなく、気軽にテンプレートでA/Bテストを実施できるようになりました。
それにより、PDCA回転率は大幅にアップ。
セグメント毎に効果の表れ方が違うため、各属性に適切な施策を見つけることにも成功しました。
(モノタロウ公式HP:https://corp.monotaro.com/index.html)
まとめ
377万人以上の会員数を誇るモノタロウは、一人ひとりに寄り添うWEB接客をしっかりと確立し、その都度改善し、実行してきました。
情報を全てのお客様へ共有するだけではなく、多くのお客様の属性に合わせた各々のサービス提供を、妥協せず的確なアプローチタイミングを見出しています。データ量が膨大だからこそ、PDCAを多く回転することができ、システム活用によってアジャイル・マーケティングが可能に。
お客様のわずかな行動や小さな変化であっても、購買心理を理解するきっかけとして見落とすことのないマーケターチーム。データドリブン文化であるモノタロウの一員として、成功へ導いてきた優秀なチームだと強く実感しました。