1966年に茶葉製品に注力した会社“フロンティア製茶株式会社”を設立。
1969年には、茶問屋「釜芳」から「伊藤園」の商号を譲り受け、株式会社伊藤園に社名を変更しました。
当時、茶葉は量り売りが主流でしたが、真空パッケージに入った茶葉を製品として販売、また、緑茶を専用ペットボトルで販売など、全世界に先駆けた商品開発により大成功を収めています。
お客様第一主義として「お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現すること」を経営理念として掲げている伊藤園。
今回のサイトリニューアルの目的は複数ありますが、イメージをガラッと変え、若年層にも楽しんでいただけるサイトを目指して改善を行ったといいます。
(TEA SHOP ITOEN:https://teashop.itoen.co.jp/shop/default.aspx)
目次
伊藤園こだわりの「リーフ」
伊藤園では、1年間を通してお客様へ様々な「リーフ」をご提案できる環境を整えてきました。その背景として、茶農家さんとの契約栽培をしていて、生産、加工、販売に至るまでを管理することで、安全性や品質にこだわって製造しています。なんと、伊藤園の国内荒茶生産量は1/4を占めているといいます。
収穫後のリーフは、成分や形、重さを考慮した独自のノウハウを取り入れた焙煎により、適正価格で各チャネルにて販売されています。
現代のライフスタイルに合う「人生100年時代」に向けた健康がテーマの研究にも力を入れています。認知症予防やダイエット、花粉症などに対する効果の検証、リアルな結果が伊藤園の公式HPで読むことができました。
お客様の安全や安心を考えたスタッフの努力が伝わり、食品を扱うECの中でも、とても信頼できるコンテンツです。それほどに、お茶を追求しこだわり抜いたリーフへの想いが感じられます。
(株式会社伊藤園HP 研究リリースページ:https://www.itoen.co.jp/news/research/)
若年層が楽しいと感じるサイトとは?新しいコンテンツを考案
今までは、30~50代のお客様が主流で、 “伊藤園”の他に和カフェ“茶寮 伊藤園”や中国茶や紅茶を取り扱う“ITOEN TEA GARDEN”などがありました。
これらを同じ店舗で購入できるように、今回リニューアルしたECサイト“TEA SHOP ITOEN”では、全商品の取り扱いを目指しているといいます。
リニューアルを介して幅広い客層から注目していただくためには、細かいペルソナやサイト設計を考えます。そこで、スタッフ同士が話し合った結果、店舗にはないコンテンツとして、「国産希少茶葉」「オリジナルブレンド」の二つを発信していくことになりました。
価格競争も多い今のEC界隈では、プライスに偏ったサイト制作になりがちです。
しかし、実店舗まで足を運ぶお客様は、伊藤園に“価値”を感じて購入してくれます。そのため、伊藤園らしい独自の価値を表現できるサイト制作を行いました。
ブランド価値を感じさせるコンテンツデザインの重要性
まず、国産希少茶葉について、限定数量しかお届けできないこだわり抜いたお茶をまとめたコンテンツページです。香りが独特な「霧島 萎凋緑茶」や、優しい甘みや濃い旨みが特徴の「志布志あさつゆ」など、一度飲んでみたくなる文面がそそられるページとなっていました。この機会に、なかなか目にしない希少茶葉の存在を知ってもらうきっかけにも繋がります。
また、オリジナルブレンドに関しては、お客様が自身で選んだフルーツ、ハーブ、茶葉がブレンドされたオリジナルのお茶が注文できるコンテンツです。この頃は、このようなオリジナルブレンドを行う企業がなく、他にはない貴重なコンテンツでした。
お茶の香りを感じていただけるような表現を取り入れたデザイン
表現や文章に工夫を施し、お茶の香りが伝わるECをビジョンにデザインを構築。
特にこだわったページは、上記に上げた2つのコンテンツでした。その中でも、国内初の「オリジナルブレンド」を提供するにあたり、どのようなデザインが良いのか、イメージが付きにくかったといいます。
アパレル企業のECや他社の同じような機能で制作されたページを複数参考にし、完成に近づけていきました。
他にも、お客様の記憶に残るような一目でお茶の雰囲気が伝わる“TEA SHOP ITOEN”のロゴも作成。黄金比の視認性に優れたロゴが完成し、お客様がどこかで見たら、思い出してリピートいただけるように、多くの方に浸透させていくことを目標にしています。
リニューアルを経て、順調に売上向上
今回のリニューアルを経て、キャンペーンや広告等を打っていない段階で既にPV、購入率、売上など、全てが好調に伸びていきました。
集客の施策前にも関わらず、顧客様も順調に増えていて、リピートに繋がっているといいます。
以前までは似たようなデザインだった伊藤園のもう一つのECサイトである「健康体」と差別化が図れたことにより、運営側もTEA SHOP ITOENの目的や存在意義の再確認となったといいます。
当初、別々の目的で制作したECサイトを、目で見て明確な違いを感じるデザインに変えることで、お客様への違う角度のアプローチのみならず、スタッフのサイトへの意識向上にも繋がり、それぞれの方向性の整理ができました。
リニューアルの課題として挙げていた若年層からの流入も、少しずつ増えてきているといいます。オリジナルブレンドと国産希少茶葉についても、「とても面白いコンテンツ」と高評価をいただいているそうです。
店舗スタッフより「店舗でもオリジナルブレンドを販売したい」と申し出があるほどに、注目度の高いコンテンツへと成長しています。
(伊藤園 健康体:https://www.kenkotai.jp/shop/default.aspx)
まとめ
会社全体の士気が上がり、良い収穫が多くあった今回のリニューアル。
施策を打っていない段階で、売上の向上と若年層の流入が見込めていることから、集客のキャンペーンやイベントを行った際の反響は良好であることが想像できます。
伊藤園は、ティーライフのために活用する日用雑貨、食器の販売も企て、その後販売を実現しています。まだ少ない商品数ですが、今後は、テーブルウェアやティーカップなども多く増えてくるように感じます。
段階を踏んだ安定感のあるサイト設計とこだわりを形にしたスタッフの取り組みを知り、より信頼性が高まる事例でした。
今後も色んなシーンで欠かさず目にしていくであろう伊藤園の商品の進化、今後の活躍に大いに期待です。