
(北欧、暮らしの道具店公式HP:https://hokuohkurashi.com/)
暮らしが楽しくなる北欧インテリア、ヴィンテージ雑貨を取り扱う「北欧、暮らしの道具店」は、最後の北欧旅行から始まりました。
賃貸不動産のC to Cサービスを立ち上げていたクラシコム代表の青木さんですが、当初はあまり軌道に乗りきらず…会社を畳むつもりで最後の思い出を作りに北欧旅行へ。
スウェーデン・ストックホルムでのヴィンテージ食器との出会いから、今の事業を拡大していきました。
現地では、格安で「北米ヴィンテージ食器」が手に入れることができ、日本では探してもなかなか見つからないとのこと。最後に、ヴィンテージ食器のネット販売を試みようと決意します。
目次
熱心なファン向けに未来想定した導線の確立
1)コアなファン向けアイテムがヒット、メルマガ登録への誘導
日本ではなかなか手に入らない北欧ヴィンテージ食器は、熱心なファンがいるにも関わらず供給過少にありました。こだわりのあるお客様ほど商品数が少ないヴィンテージ食器に対し、価格帯関係なく欲しいといった強い購入動機がありました。そのため、入荷が間に合わないことも多くあったといいます。
サイト作りが追い付かない間にも商品は売れ続けたため、まずは顧客作りの先駆けとしてメルマガ登録へ誘導。商品が入荷する前に購入導線を確立しました。
2)未来を想定したスマホ×SNSの活用
当初、SNSの活用が主流ではなく、他社はネット検索から「SEO対策」、「広告費をかける」ことが多かったといいます。SNSでの魅力的なコンテンツ発信は少なかったことから、“いずれお客様が欲しがるものを用意する”ことに注力しました。
まだ馴染みはないけれど、そのうち見るようになるその時のためのお客様目線に立ったコンテンツ作り。それこそが、クラシコム様の未来を想定したお客様導線の確立方法でした。
他人や他社が語るセオリーを実践し比較する重要性
何かを始める際に、本やネット検索すると必ず見つかる誰かが実践し成功した取り組みのセオリー。これらを素直に受け入れて実践すること、また、自己流と比較することで自身の続けてきた施策が成功か失敗か把握できると青木さんは言います。
どの有名サイトを見ても、「鉄則」を全て基本通りに実践している店舗が少ない。成功事例があるのならば、そのシンプルな「鉄則」を取り入れるだけで勝てる可能性を見出せます。
コツコツと小さな積み立てから、大きな成果に導ける発見に繋がるため、一通りの基本を知り学ぶこと、自分の方法が正しいと決めつけないことが重要だということです。
「いろいろ試してみた上で、自分のショップはこうしたほうがよさそうだと気付いたものがオリジナル」
今後の課題、IP(知的財産)を残すこと
今後は、相手が真似のできないノウハウや自分の陣地を守り続けること。
経営方針として、「自由・平和・希望」を掲げているクラシコム様は、今後どんどん変化し一般化していくノウハウに対して、できるだけ次の一手を安心材料として常に持ち合わせていたいと言います。
現時点では見つけられておらず、難点をカバーしていくためにはIPが会社を左右すると考えます。今は、新しい武器を持つことに専念し、先を見込んだWEBドラマ制作にも取り組んでいるそうです。
ECを主軸に営んでいる会社の中で、一定の権利収入を得るコンテンツ提供ができる会社はそうそういません。だからこそ、IPがカギとなると青木さんは考えています。
まとめ
「次に当たる分野は何なのか」、経営者の中では永遠の課題となるこれからの未来。
それらを先回りして“もともとそこになかったものを供給する”クラシコム様の事業戦略は、必然的に行ったわけではなく、お客様にとってあったら嬉しいを考えながら考案し続けた結果となります。
やってみないと分からないことに、“そっ閉じ”することなく直向きに時間をかけて行ってみることの重要性が感じられました。
急に変化はしないものの、小さな風向きの変わり様にいち早く気が付けるクラシコム様ならではの特権といえます。これからも、伸び続けるであろう“もともとそこになかったものを供給する”クラシコム様のEC成功事例のご紹介でした。